2018年 12月 27日
ベネッセ判決(2次訴訟・5次訴訟)のお知らせ |
本日(2018年12月27日)午後3時から東京地方裁判所803号法廷で判決言渡がございました。
第1 判決主文及び理由の概要
1 主文の概要
(1)被告シンフォームは,原告目録の判断欄に〇と記載した原告らに対し,それぞれ3300円及びこれに対する平成26年7月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え
(2)原告らの被告シンフォームに対するその余の請求及び被告ベネッセに対する請求をいずれも棄却する。
(3)訴訟費用の負担について
(4)(1)についての仮執行宣言
つまり、シンフォームに対する請求のみを認め、金額を1人あたり3,300円としました。
今回、請求が認められなかった原告6名に対しては弁護団より個別にご連絡いたします。
2 事実及び理由の概要
(1)ベネッセ・シンフォームともに,注意義務違反がないとして過失を否定した。
アンドロイド4.0以降に登載されたMTP方式の通信によりファイル転送できることについて予見できないとした。
(2)漏えいを行った従業員の故意の不法行為に関して,シンフォームの使用者関帰任を認めた。シンフォームは研修・仕事の割当・グループリーダーの指示などしており,指揮監督が認められる。
(3)損害について、
慰謝料として3000円,弁護士費用として300円を認定した。
第2 評価
(1)平成30年6月20日の東京地裁判決(民事第24部)(以下、「24部判決」という。)と異なり,個人情報が漏洩したことに対する慰謝料を認めた点は評価できるが、金額については過去の裁判例に照らすと低額にすぎる。
請求額は,成年原告について5万円(一部10万円),未成年原告について10万円であるが、成年と未成年の慰謝料の差異を否定。
(2)ベネッセ・シンフォームに関して,過失を否定した点は不当である。
注意義務について,前提となる予見可能性の対象をMTP方式による情報漏えいに絞っているため適切ではない。
本件当時、スマートフォンを利用した情報漏えいの危険性は指摘されていた。
ベネッセ・シンフォームの過失及び使用者責任について,本判決と前述の24部判決では判断が異なっている。
24部判決では,ベネッセ・シンフォームそれぞれに過失を認定したうえで共同不法行為を認め,使用者責任を否定したが、本判決では過失自体を否定した。
提出証拠に違いがあることから、今後詳細な分析が必要となる。
第3 判決文
個人情報を削除した上で、登録いただいているメールアドレスあてにメールにて提供いたします。
2次訴訟・5次訴訟に参加されている方で2018/12/28までにメールが届かない方はご連絡ください。
メールアドレスその他事前にお届けいただいている情報(住所・氏名・電話番号)に変更があった方は、必ず弁護団事務局にご連絡ください。
第4 今後の予定
過失を否定し、ベネッセコーポレーションに対する請求を認めなかった点、慰謝料の金額に不服があり、控訴を予定しております。
追加の戸籍謄本・訴訟委任状等の提出をお願いする場合がございますのでご対応のほどよろしくお願いします。
以 上
by benesse-higai
| 2018-12-27 19:57
| 訴訟